都市トシデザインガク <用語ヨウゴ解説カイセツ
景観資源とその保全(1) 
10 景観と景観計画ケイカク
出典シュッテン 建築大ケンチクダイ辞典ジテン ダイハン」、ショウ国社クニシャ、1993
広辞苑コウジエン 第四版ダイヨンハン」、新村ニイムライズルイヘン岩波書店イワナミショテン、1993
景観ケイカン landscape, townscape
@イチ風景フウケイ景色ケシキ
Aある土地トチにおいて自然シゼン人間ニンゲン交渉コウショウによって形成ケイセイされる可視的カシテキ事象ジショウのすべて、すなわち視覚的シカクテキ環境カンキョウのことをいう。これは自然的条件シゼンテキジョウケン人間生活ニンゲンセイカツ歴史的試練レキシテキシレンけつつタガいに影響エイキョウシアイナガラヘしあいながら変容ヘンヨウする。
景域ケイイキ [ドク] Landschaft
同質ドウシツ景観ケイカンテイする一定イッテイ範囲ハンイ地域チイキ意味イミする用語ヨウゴ景観ケイカン風景フウケイ概念ガイネン環境カンキョウ視覚的シカクテキ意味的側面イミテキソクメン強調キョウチョウするのにタイし、この概念ガイネン景観ケイカン地域的広チイキテキヒロがりと、環境カンキョウ生態的秩序性セイタイテキチツジョセイチツジョセイ土地利用上トチリヨウジョウ合理性ゴウリセイツヨ意識イシキしているテン差異サイがある。
景観資源ケイカンシゲン landscape (visual) resource
単一タンイツで、あるいは集合シュウゴウすることによりナガめるのにアタイする価値カチ対象タイショウ一般イッパンには山岳サンガク湖沼コショウなどの対象タイショウそのものをいうが、広義コウギには良好リョウコウ眺望チョウボウ保証ホショウする空間クウカン対象タイショウナガめる視点シテンをもフクむ。
景観構成要素とも呼ばれ、自然景観構成要素(自然景観資源)、人文景観構成要素(人文景観資源)自然人文景観構成要素(自然人文景観資源)に大別される。 「自然景観構成要素」とは、天空、高い山、低い山、岩石、海、河川、湖沼、水辺、田園、広葉樹林、針葉樹林、動物、植物、ふるさと的風景、鎮守の森などの自然物をいう。 「人文景観構成要素」とは、歴史的建物、橋梁、ダム、道路、港湾、鉄塔、電柱、電線、造成地、裸地、草地、耕地、集落、寺、神社、教会、塔、城跡、庭園、船舶、列車、自動車、看板などの人工物をいう。 「自然人文構成要素」とは、渓谷を背景にした橋梁、丘陵と集落、海と航行中の船舶、道路と走行中の自動車、森林と神社、山岳と史跡、田園と城跡などのように、自然要素と人文要素が一体になったものをいう。
景観構成要素ケイカンコウセイヨウソ elements of  landscape
景観ケイカン構成コウセイしている要素ヨウソ。そのとらえカタにはツギフタつの立場タチバがある。(1)景観ケイカン一般論的イッパンロンテキにとらえる立場タチバでは、地形チケイ河川カセン植生ショクセイフネなどの固定的コテイテキ非固定的ヒコテイテキえる要素ヨウソ気候キコウ地質チシツ土壌ドジョウなどの景観ケイカン生成要因セイセイヨウインす。(2)分析ブンセキ計画ケイカク設計セッケイなど特定トクテイ目的モクテキのためにモチいる立場タチバでは、対象タイショウ景観把握ケイカンハアクモデルのように視点場シテンバ対象タイショウ主対象シュタイショウ副対象フクタイショウ)、対象場タイショウババベツ把握ハアクする。
景観条例ケイカンジョウレイ landscape code
歴史的レキシテキ景観ケイカンなどの良好リョウコウ景観ケイカン保全ホゼンする、あるいはアラたに魅力的ミリョクテキ景観ケイカン形成ケイセイするために、一定イッテイ地域チイキまたは地区チクにおける構成要素コウセイヨウソ改変行為カイヘンコウイタイして規制キセイもしくは誘導ユウドウオコナうことを目的モクテキとする法令ホウレイ通称ツウショウ精神セイシンキテイガシュタルシュ規定キテイシュたるものから、特定トクテイ地区チク施設シセツカカげ、具体的指針グタイテキシシンシメしたものまで、その内容ナイヨウhアはさまざまである。
景観計画ケイカンケイカク landscape planning
@あるテーマのもとに、一定イッテイ空間的広クウカンテキヒロがりをユウする区域クイキ景観ケイカン計画的にケイカクテキニソウサスルコトス操作ソウサすること。テーマは一般イッパン操作対象ソウサタイショウ都市トシ森林シンリン河川カセン橋梁キョウリョウなど)と計画ケイカク目的モクテキ保護ホゴ保全ホゼン創造ソウゾウなど)によって決定ケッテイされる。計画ケイカクにおいては景観ケイカン現象ゲンショウ総合性にかんがみ、ソウゴウセイニカンガミカンガミ、機能計画キノウケイカクとの調整チョウセイ非操作対象ヒソウサタイショウ土地利用トチリヨウなどの操作対象ソウサタイショウとならない要素ヨウソ自然シゼン)のコントロールと活用カツヨウ留意リュウイする必要ヒツヨウがある。総合性ソウゴウセイ保証ホショウ計画ケイカク正否セイヒとなることがオオいためである。
A景観ケイカンホウにおいて、景観ケイカン行政ギョウセイ団体ダンタイサダめる良好リョウコウ景観ケイカン形成ケイセイカンする計画ケイカク都市トシノウヤマ漁村ギョソンそのホカ市街地シガイチマタ集落シュウラク形成ケイセイしている地域チイキオヨびこれと一体イッタイとなって景観ケイカン形成ケイセイしている地域チイキにおいて、ゲン保全ホゼンする必要ヒツヨウがあるとミトめられる土地トチ区域クイキなどに計画ケイカクすることができる。
景観ケイカン重要ジュウヨウ建造物ケンゾウブツ 景観ケイカンホウにおいて、景観ケイカン行政ギョウセイ団体ダンタイチョウ景観ケイカン計画ケイカク区域クイキナイ良好リョウコウ景観ケイカン形成ケイセイ重要ジュウヨウ建造物ケンゾウブツ国土コクド交通省コウツウショウレイサダめる基準キジュン該当ガイトウするものとして指定シテイした建造物ケンゾウブツ都市計画トシケイカクサダめられた建築物ケンチクブツ形態ケイタイ意匠イショウ制限セイゲンなどが適用テキヨウされない。
景観ケイカン地区チク 都市計画トシケイカク区域クイキマタジュン都市計画トシケイカク区域クイキナイ土地トチ区域クイキについて、市町村シチョウソン都市計画トシケイカクサダめることができる地区チクイチ市街地シガイチ良好リョウコウ景観ケイカン形成ケイセイハカるため、建築物ケンチクブツ形態ケイタイ意匠イショウ制限セイゲン必須ヒッスであるほか、建築物ケンチクブツタカさの最高限度サイコウゲンドマタ最低限度サイテイゲンド壁面ヘキメン位置イチ制限セイゲン建築物ケンチクブツ敷地シキチ面積メンセキ最低サイテイ限度ゲンドのうち必要ヒツヨウなものをサダめる。
景観ケイカンデザイン landscape design
環境カンキョウ視覚像シカクゾウ、すなわちカタ設計セッケイすること。対象自体タイショウジタイ設計セッケイだけではなく、視点シテン対象タイショウ対象タイショウ対象場タイショウバ関係カンケイ視点場シテンバ設計セッケイなど関係カンケイのデザインがフクまれるテン通常ツウジョウのものや空間クウカンのデザインと根本コンポンコウンポンテキコトなるテンである。
景観工学ケイカンコウガク technology for landscape planning
景観ケイカン工学的操作コウガクテキソウサ対象タイショウカンガえて、その現象ゲンショウ機構キコウ解明カイメイし、人間ニンゲン生活環境セイカツカンキョウ一側面イチソクメンとして計画ケイカク設計セッケイする方法ホウホウについて研究ケンキュウする学問領域ガクモンリョウイキ環境カンキョウ美的価値ビテキカチをはじめとする住民ジュウミンのアメニティ重視ジュウシ潮流チョウリュウ背景ハイケイに、計量心理学ケイリョウシンリガク画像処理技術ガゾウショリギジュツなどの従来ジュウライのデザインロンにないアラたな方法論ホウホウロン分野ブンヤヒラいた。
景観分析ケイカンブンセキ landscape analysis
可視カシまたは不可視フカシヒシ頻度ヒンドギョウカク俯角フカクなどの景観指標ケイカンシヒョウや、ランドマーク、ノードなどのイメージ概念ガイネン、プロポーション、コンポジションなどの形状概念ケイジョウガイネンモチいて景観ケイカン構造コウゾウ特徴トクチョウ良否をリョウヒヲハアキらかにする作業サギョウ
視対象シタイショウ える対象タイショウ眼前ガンゼン展開にテンカイニタよる要素ヨウソの1つ1つであり、主対象シュタイショウ副対象フクタイショウとにけて分析ブンセキオコナ場合バアイもある。
視点場シテンバ 景観ケイカン場所バショ。そこに立ったときのタッタトキノトキノタカさと視対象シタイショウとの標高差ヒョウコウサなどが景観分析・評価の操作ケイカンソウサ指標シヒョウとなる。
可視カシ不可視フカシ 任意ニンイ視点シテンから、どこがえてどこがえないかをアキらかにする指標シヒョウ現地調査ゲンチチョウサ模型モケイ空中写真クウチュウシャシン、コンピュータ・シミュレーションナド方法ホウホウによって、えるかえないかが判別ハンベツされる。
近景キンケイイキ中景チュウケイ・遠景エンケイ range of close view
もののカタ変化ヘンカ基準キジュンとした景観ケイカン分類ブンルイで、経験的ケイケンテキモチいられる視距離シキョリによるもの(近距離景キンキョリケイ中距離景チュウキョリケイ遠距離景エンキョリケイ)と、風景画フウケイガなどの構図コウズによるものがあるが、定量的テイリョウテキ区分はクブンハサ明確メイカクにはされていない。タトえば、視対象シタイショウヒト場合バアイ近距離景キンキョリケイ0〜300m程度テイド中距離景チュウキョリケイ300〜1,000m程度テイド遠距離景エンキョリケイ1,000m以遠イエン目標モクヒョウとする。また、樹木ジュモクカタ変化ヘンカ基準キジュンとした場合バアイ近景域キンケイイキ340〜460m、中景域チュウケイイキ340〜460mから2.1〜2.8km、遠景域エンケイイキ2.1〜2.8km以遠イエンとするセツナなどがある。
仰角ギョウカク(ぎょうかく) angle of elevation
対象タイショウギョウカンギョウカクカンする場合バアイ視線シセン水平スイヘイタイする角度カクド広場ヒロバ街路ガイロなどのカコまれカントウなどの崇高感スウコウカン圧迫感アッパクカン威圧感イアツカンなどの計測指標ケイソクシヒョウ
俯角フカク(ふかく) angle of depression
対象タイショウヲフカン俯瞰フカンする場合バアイ視線シセン水平スイヘイからの角度カクド対象タイショウ平面的ヘイメンテキバイ俯角フカク中心チュウシンシジク視軸シジクは、-8から-10度程度ドテイドとされる。
ヴィスタ Vista(伊語イゴ
景観ケイカンカタイチツウケイケイ」、「見通ミトオケイともいう。本来ホンライ眺望チョウボウテ展望テンボウ意味イミするイタリア視点シテンから主対象シュタイショウかって視線シセン誘導ユウドウされていくように額縁状ガクブチジョウ枠取ワクドりされたケイ視点シテン対象タイショウムスセン見通ミトオセン対象タイショウ終点シュウテンあるいは焦点ショウテン額縁状ガクブチジョウ区切クギりをシボりともいう。シボりとしては帯状オビジョウバッサイカイタクされた森林シンリンレツショクされた並木ナミキ建築物ケンチクブツなどがある。焦点ショウテンとしては記念的建築物キネンテキケンチクブツ彫刻等チョウコクナド人工物ジンコウブツモチいられる。フランス幾何学式庭園キカガクシキテイエンにおいて多用タヨウされ、バロック都市計画トシケイカク構成原理コウセイゲンリともなった。
ダイパースペクティヴパースペクティヴ 透視図法トウシズホウ壮大ソウダイ効果コウカモチいて、奥行オクユきのある空間クウカントク庭園テイエン都市空間トシクウカン)を構成コウセイする建築的手法ケンチクテキシュホウ壮大ソウダイ眺望チョウボウ奥行オクユきのきわめてフカ広場ヒロバ長大チョウダイ街路ガイロといったものを実際ジッサイツクったときに、モノがそれだけ奥行オクユきをカンじるように、列柱レッチュウ基準線キジュンセンからはずして湾曲ワンキョクさせたり、幅広ハバヒロ並木道をナミキミチヲオトオくに行くにつれてイクニツイレテツレテノボ気味キミにしてその見通ミトオしのてに壮大ソウダイなモニュメントを配置ハイチさせたりする。
軸線ジクセン axis
中心チュウシンナラび、モット基本的キホンテキ形態秩序ケイタイチツジョイチ一般イッパンにバシリカシキばれる教会堂キョウカイドウ形式ケイシキのように、大空間ダイクウカンジク方向性ホウコウセイ運動ウンドウ効果コウカ統合トウゴウされている場合バアイや、丹下健三タンゲケンゾウ東京計画トウキョウケイカクのように、都市的トシテキスケールの造形ゾウケイが、道路ドウロがつくる軸線ジクセン支配シハイされる場合バアイなど、さまざまな段階ダンカイでの適用テキヨウ見出ミイダすことができる。軸線上ジクセンジョウ人のヒトノh移動イドウ可能カノウイナかによって実際ジッサイ効果コウカオオきくかれる。
シークエンス sequence
視点シテン移動イドウトモナ連続的レンゾクテキ変化ヘンカする景観ケイカントク移動イドウトモナ継起ケイキテキ体験タイケンナンらかの意味上イミジョウ脈絡ミャクラクがあったり、移動イドウのルートが限定ゲンテイされていたりする場合バアイにいう。回遊式カイユウシキ庭園テイエン参道サンドウなどを対象タイショウ分析ブンセキ構成コウセイホウ研究ケンキュウココロみられている。P.シールやD.アップルヤードの研究ケンキュウ遊泳ユウエイである。
スポットゾーニング spot zoning
非常ヒジョウセマ区域クイキまたは特定トクテイ敷地シキチについて周囲シュウイとはコトなる地域制チイキセイウエ地域チイキ地区チク指定シテイオコナうこと。恣意的シイテキ不公平フコウヘイ地域制チイキセイ運用ウンヨウとして合法性ゴウホウセイわれる場合バアイオオいが、目的モクテキ公益性コウエキセイ手続テツヅきの公平性コウヘイセイらして合法ゴウホウ判断ハンダンされる場合バアイもある。